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名言集

古今東西の名言を味わう

【浄土の風だより】

 仏教に限定せず、古今東西の名言を味わいます。名言の下に不詳私 釋信水が味わいを述べさせていただきます。  


他人が聞いて喜ぶ言葉、すなわち好ましい言葉こそ、人は語るべきである。他人の悪を取りあげないで語るのが、好ましい言葉である。
テーラガータ
「本当のことだから」とか「間違ったことは言っていない」と自分を弁護して、他人を避難ばかりしている人を見かけますが、その言葉を発する心根を問わねばなりません。また言葉の使い方も気をつけないと、要らぬ誤解を招きます。私も気を付けます。  


 

戦場において百万人に勝つよりも、唯だ一つの自己に克つ者こそ、じつに最上の勝利者である。
ダンマパダ
どんな人も自己の強さや優秀さを誇りがちですが、他者を屈服させるより、自己そのものを克服する人が最強なのには気付きません。  


 

いまやっている「実験」。
明日には、価値として残るか残らないか解らない。
それはどうでもいい。
岡本太郎)
「こんな苦労をしているが意味があるのか」とか、新しいことをする時に二の足を踏んでしまいがちな私たち。「それはどうでもいい」と断言する太郎さん。暗中模索をつき進む、この力強さを見習いたいものです。  


 

形あるものは迷いで、形のない世界が本当だと思う。そうではないのです。本当のものは、形のある中に宿っておるのです
島田幸昭)
「大事なことは目に見えない」ということも本当ですが、心を込めて見れば、見えている表層の奥に真実が宿っています。また自分の中にそれを見抜く下準備があるかどうかも問われます。  


 

真理そのものが仏となって現われ、その身が百億にも分身して、世界の人びとに利益を与えたもうのである。
『職人日用』意訳
仏とは真理そのものであり(法身)、真理が歴史を貫いてはたらき(報身)、諸仏を生みだし(応身)、功徳が広く世界に満ち溢れ、一人ひとりの人生を花開かせていきます。  


 

みずからの信念に忠実なのは、讃むるべきことである。しかし理智の光にみちびかれることなくして努力しても、それは結局、無用の徒労に終るであろう。
九条武子
信念の強い人でなければ何事も成就しません。しかし偏狭な信念であったり、自他に不利益をもたらすもの、また理屈だけ先行して人間がないがしろににされている思想があります。ひとりよがりの信念を破ることも仏法の徳でしょう。  


 

ちがうことは言うじゃない このままとはちがいます
言葉はよいが胸に自力の根がのこる はやくご縁にあいなさい
浅原才市
「ありのままの自分で良いのだ」とか、「このままで救わている」と言う中に、その言葉によりかかって安心している人がみえます。自らの宿業の闇に悩み、その闇の底に人類共通の課題や共感がなくては仏法の活かしどころがありません。  


 

大なる精神は自然と一致するのであるから、我々は小なる自己を以て自己となす時には苦痛多く、自己が大きくなり客観的自然と一致するに従って幸福となるのである。
西田幾太郎
我執を破くことは仏教のみならず全宗教の一大課題ですが、これを初手から哲学として練り上げたのが 西田幾太郎 師です。東洋思想は理論化が難しいのですが、彼の思想体系によって全宗教共通の落ち着き場が発見されました。  


 

自ら 立たしめらるる 生命あり
 自立と言えど おかげなりけり
向坊弘道
他力と自力は対立するのではありません。成長して自立することを真摯に求めた時、自立せしむるもの。精神の本流ともいうべき他力に気付かされます。  


 

怪物と戦う者は、その際自分が怪物にならぬように気をつけるがいい。長いあいだ、深淵をのぞきこんでいると、深淵もまた、君をのぞきこむ。
フリードリヒ・ニーチェ
他人や組織・国家を批判する際、重箱の隅をつつくように凝視していると、次第にその悪性が拡大し自分が飲み込まれてしまう事があります。歴史的にも、前政権を批判し打倒した新政権が、前任者の毒を受け継いでしまう例をよく耳にします。罵倒ではなく賞賛の文化を根付かせたいですね。

 

 


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浄土の風だより(浄土真宗本願寺派 浄風山吹上寺サイト)