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【十界モニター】

「戦争が悪い」は本当か

 巨悪の正体を探ると

 終戦記念日が近づくとマスコミ各社は、こぞって戦争をテーマにした番組を仕立てる。大筋は「戦争になると平時の価値観は破壊され、虐殺行為が正当化される」、「全ては戦争が悪いのだ」、「今こそ反戦の誓いを結び直そう」という内容だ。

 戦争時の悲惨さは戦争未体験の自分にもある程度は想像がつく。何をおいても戦争は避けなければならないことは、言うまでもない。だが、「何もかも戦争が悪い」、「戦争さえ無ければ平和に暮らしていけたのに」という言い分には違和感を覚える。

 と言うのも、戦争を起こすのは人間だ、という当たり前の前提、そして人類は余りにも多くの戦争を起こしてきた、という事実があるからだ。

 もしかしたら、人間は戦争が好きなのではないか。元々人間は残虐な生き物なのではないか。また、その残虐を好む嗜好は今の人類にも根強く残っているのではないか。いや一般論ではない、今の自分自身にもその巨悪の根は残っているのではないだろうか。

 戦争責任について先人たちを弾劾することは誰にでもできる。しかし弾劾された人たちにもそれぞれ言い分があるだろう。むしろ、その言い分を一蹴しさらに弾劾を続けるという連鎖が、巨悪を熟成させているのではないか。

 後世の善人ぶる弾劾者も、その時代その立場にあれば、果たして平和的な選択肢ばかり採るだろうか。戦前戦中マスコミはこぞって、軍部以上に戦争を煽る嘘記事を垂れ流していたことは記憶に留めなければならない。

 戦争を過去の問題とするのではなく、今の、そして自分自身の問題として、正直に語る場がほしい。誰もが他人の不幸を喜ぶ悪性を抱えているのだから。

令和2年8月11日  [Shinsui]

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